問題 15★★★

ネットショップが、盗まれたカード情報による注文を見抜けずに商品を発送した。後日、決済は取り消され 代金10万円は入金されず、商品も戻らなかった。商品の原価は6万円、配送料は1万円だった。 この注文を受けなかった場合と比べて、利益はいくら少ないか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア10万円

    誤り。正常に売れた場合と比べた差で、比べる相手が違います。正常に売れていれば 3万円の利益だったので、そこからは10万円少なくなります。しかし問われているのは 注文が無かった場合との差です。そもそも存在しない売上を失ったとは数えません。

  2. イ7万円

    正解。売上は立たず、発送した商品の原価6万円と配送料1万円だけが出ていきました。 注文が無ければどちらもかからなかったので、この7万円が利益の減少です。

  3. ウ6万円

    誤り。商品の原価だけを数え、配送料を落としています。配送料もこの注文が無ければ かからなかった費用で、注文1件ごとに発生する変動費です。原価と同じく損失に入ります。

  4. エ17万円

    誤り。入金されなかった代金10万円に、原価と配送料7万円を足しています。 10万円は注文が無ければもともと入ってこない額なので、損失に足すと二重に数えることになります。

理解を深めるために

不正注文で失うのは「売上」ではなく「出ていった費用」

不正注文の代金はもともと入ってくるはずのないお金です。実際に会社から出ていったのは、 発送してしまった商品の原価と配送料です。注文が無かった場合と比べれば、 この2つの合計がそのまま利益の減少になります。

注文が無かった場合と並べて比べる

  • 注文が無かった場合: 売上高0円 − 費用0円 = 0円
  • 不正注文を受けた場合: 売上高0円 −(原価6万円 + 配送料1万円)= −7万円
  • 差: 7万円

家賃や人件費などの固定費は、注文の有無で変わらないので差には出てきません。

システム停止で注文を受けられなかった場合は、失われるのは「売上高 − 変動費」でした (変動費は払わずに済むため)。不正注文はその逆で、売上高は得られないのに変動費だけが 出ていきます。同じ「売上が立たない」でも、商品が出ていったかどうかで損失の中身が変わります。 不正注文対策の効果を見積もるときは、1件当たりの損失を代金ではなく原価と配送料で数えます。

選択肢の数字が何を表すか

金額 中身 判定
7万円 原価 + 配送料 注文が無かった場合との差
10万円 正常に売れた場合(利益3万円)との差 比べる相手が違う
6万円 原価だけ 配送料を落としている
17万円 代金 + 原価 + 配送料 代金を二重に数えている

損失を見積もるときは、まず「何と比べるか」を決め、その2つの場合で何が変わるかだけを数えます。

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