問題 11★☆☆

部門の事業計画を説明する資料に「損益分岐点」という語が出てきた。 損益分岐点の説明として、最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア売上高と変動費が等しくなり、限界利益がゼロになる売上高。

    誤り。売上高から変動費だけを引いて考えており、固定費が抜けています。 この点ではまだ固定費を1円も回収できておらず、利益は固定費の分だけ赤字です。 損益分岐点は、固定費まで含めた費用の総額と売上高が等しくなる点です。

  2. イ売上高と費用の総額が等しくなり、利益がゼロになる売上高。

    正解。費用の総額(固定費+変動費)と売上高がちょうど釣り合う点です。 これを上回れば黒字、下回れば赤字になります。

  3. ウ売上高から売上原価を引いた額で、粗利益とも呼ばれる額。

    誤り。これは粗利益(売上総利益)の説明です。どちらも売上高から何かを引く話なので 混同しやすいのですが、粗利益は利益の「額」で、損益分岐点は利益がゼロになる「売上高の水準」です。

  4. エ固定費の総額と変動費の総額が等しくなるときの売上高。

    誤り。固定費と変動費を比べても、売上高との関係は分かりません。 固定費と変動費が同額でも、両者の合計が売上高を上回っていれば赤字です。 比べる相手は「売上高」と「費用の合計」です。

理解を深めるために

損益分岐点は「赤字と黒字の境目」の売上高

お店を開けば、客が来なくても家賃や正社員の給与はかかります(固定費)。商品が売れれば、 仕入代金のように売れた分だけかかる費用もあります(変動費)。売上高がこの2つの合計に ちょうど届いたところが損益分岐点で、利益はゼロです。そこから先の売上で初めて利益が出ます。

式で書くと

  • 利益 = 売上高 −(固定費 + 変動費)
  • 損益分岐点 = 利益がゼロになる売上高、つまり 売上高 = 固定費 + 変動費 となる点

変動費は売上高に比例して増えるので、売上高から変動費を引いた残り(限界利益)で固定費を 少しずつ回収していく、と考えると分かりやすくなります。限界利益の累計が固定費に届いた点が 損益分岐点です。

混同しやすいものとの違い

用語・考え方 何と何が等しいか、何を表すか
損益分岐点 売上高 = 固定費+変動費(利益ゼロ)
限界利益ゼロの点 売上高 = 変動費(固定費の分だけ赤字)
粗利益 売上高 − 売上原価(利益の額であって売上高の水準ではない)
固定費=変動費の点 費用の内訳どうしの比較で、黒字か赤字かは決まらない

セキュリティ対策のための新しい定額サービスを契約すると固定費が増え、損益分岐点は上がります。 「売上高と費用の合計が釣り合う点」という定義を押さえておけば、こうした影響もすぐに判断できます。

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