問題 49★★★

全社で標的型メール訓練を行ったところ、訓練メールの添付ファイルを開いた社員が15%いた。 一方、開いた後に窓口へ報告した社員はほとんどいなかった。次回に向けた訓練の見直しとして 最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア添付ファイルを開いた社員の氏名を部門内に公表し、開かないよう注意を促す。

    誤り。開いた人を責める運用は、本物の攻撃メールを開いてしまったときに 「黙っていよう」と思わせます。開封を減らすことと報告を増やすことは両立させる必要があり、 公表は報告のほうを確実に減らします。

  2. イ実施日時を事前に全員へ知らせ、注意して受信できる状態で訓練を行う。

    誤り。予告すれば開封は減りますが、それは身構えていたからで、普段の受信で 見抜けるようになったわけではありません。本物の攻撃は予告なしに届くので、 訓練の結果が実態からずれ、弱点が見えなくなります。

  3. ウ開いた後でもすぐ窓口に報告する手順を周知し、報告までの速さも評価する。

    正解。巧妙な攻撃メールの開封をゼロにはできません。被害を小さくするのは、 開いた人がすぐ報告し、組織が早く封じ込めに動けることです。今回欠けていたのはこちらです。

  4. エ開封率だけを指標とし、下がるまで同じ文面の訓練メールを繰り返し送る。

    誤り。同じ文面を繰り返せば、社員はその文面を覚えて開かなくなるだけです。 開封率が下がっても、別の文面の攻撃を見抜く力や、開いた後の報告の力は測れていません。

理解を深めるために

訓練の目的は「開かせない」より「開いたら知らせる」

業務を装った巧妙な攻撃メールは、注意深い人でもいずれ開いてしまいます。 そのとき被害を広げるか止めるかを分けるのは、開いた本人がすぐに窓口へ知らせるかどうかです。 報告が早ければ、同じメールを受け取った他の社員への注意喚起や、感染した端末の切り離しに すぐ移れます。今回の結果は、開封率よりも「報告がほとんどない」ことのほうが深刻です。

見直しで押さえる点

  • 開いた後の行動(誰に、何を、どうやって知らせるか)を手順として周知する
  • 開封率だけでなく、報告した人の割合や報告までの時間も結果として測る
  • 開いた人を責めない。責めれば、本番で開いてしまった人が隠すようになる
  • 予告なしで行い、文面も回ごとに変える。普段の受信に近い条件で弱点を見る

混同しやすい見直し案との違い

見直し案 何が起きるか
報告手順を周知し、報告の速さも評価する 開いても早く封じ込めに移れる
開いた社員の氏名を公表する 本番で開いた人が隠すようになる
実施日時を予告する 身構えた結果しか測れない
同じ文面を繰り返し、開封率だけを見る 文面を覚えただけで力は測れない

訓練の見直しを問われたら、その案で「本物の攻撃が届いたときの行動」が良くなるかどうかで判断します。

前の問題へ次の問題へ