正解:ア
各選択肢の解説
ア想定した事態の流れに沿って関係者が集まり、誰が何を判断するかを話し合う。
正解。これが机上演習です。システムを動かさずに、場面ごとの判断者・連絡先・ 次の行動を順にたどるので、手順書の抜けや部門間の受け渡しの食い違いが見つかります。
イ社員に疑似の攻撃メールを送り、開かずに窓口へ報告できるかを確かめる。
誤り。これは標的型メール訓練です。確かめられるのは、メールを受け取った一人ひとりの 見抜く力と報告の行動です。感染が分かった後に部門どうしがどう動くかは試せません。
ウ代替のサーバにバックアップを実際に復元し、業務の再開までの時間を計る。
誤り。これは復旧の手順を実機で確かめる訓練です。目標時間内に戻せるかは分かりますが、 システムを実際に操作するうえ、誰が判断し誰に連絡するかという流れの確認には向きません。
エ外部の専門家に実際に侵入を試みてもらい、システムの弱点を洗い出す。
誤り。これはペネトレーションテストで、調べる対象はシステムの技術的な弱点です。 感染した後の組織の動き方、つまり手順や役割分担に抜けがあるかは対象外です。
理解を深めるために
机上演習は「手順書を声に出して通しで動かす」訓練
新しい手順書は、書いた人の頭の中ではつながっていても、実際に使うと 「この時点で業務を止める判断は誰がするのか」「広報にはいつ知らせるのか」といった 穴が見つかります。机上演習は、関係者が一つの部屋(やオンライン会議)に集まり、 「月曜の朝、ファイルが開けないと連絡が来た」のような想定を進行役が順に出していき、 各場面で誰が何を判断し、誰に連絡するかを話し合いながらたどる訓練です。
机上演習が向いている理由
- システムを動かさないので、業務を止めずに実施できる
- 確かめる対象が、技術ではなく人と組織の動き(役割・判断・連絡)である
- 手順書の抜け、部門間の受け渡しの食い違い、古い連絡先などがその場で見つかる
一方、実機での復元時間のような「実際にやってみないと分からないこと」は確かめられません。 目的に合わせて訓練を選ぶことが大切です。
混同しやすい訓練・検査との違い
| 訓練・検査 | 確かめるもの |
|---|---|
| 机上演習 | 役割分担・判断の流れ・連絡体制 |
| 標的型メール訓練 | 個人の見抜く力と報告の行動 |
| 実機での復旧訓練 | 実際に戻せるか、どれだけ時間がかかるか |
| ペネトレーションテスト | システムの技術的な弱点 |
「誰が」「どう判断するか」を確かめたいなら机上演習、と目的から選びます。