正解:エ
各選択肢の解説
アAは資料と同じ区分を扱える資格をもつので、申請どおり閲覧を許可する。
誤り。クリアランスは「この区分までなら扱わせてよい人か」を示す上限で、 その区分の資料をすべて見てよいという許可ではありません。資格さえあれば見られるなら、 最上位の資格者一人から全プロジェクトの情報が漏れうることになります。
イプロジェクトの資料の機密区分を一段下げてから、Aに閲覧を許可する。
誤り。機密区分は、漏れたときの影響の大きさから情報ごとに決めるものです。 閲覧させる都合で下げれば、その資料は本来より緩い扱いで保管・配布されるようになります。
ウAのクリアランスを一段下げ、最上位の区分の資料を扱えないようにする。
誤り。クリアランスは、本人の信頼性を確認した結果として与えるものです。 申請してきたこと自体は不正ではないので、資格を下げる理由になりません。 判断すべきなのは、この資料を見る業務上の必要があるかです。
エ資格に加えて業務上の必要を確かめ、必要がなければ閲覧させない。
正解。区分を扱える資格があることと、その資料を知る必要があることは別の条件です。 両方を満たしたときだけ閲覧させることで、資格者一人が見られる範囲を絞れます。
理解を深めるために
クリアランスは「入れる階の上限」、必要性は「入る部屋」
セキュリティクリアランスは、本人の経歴や信頼性を確かめたうえで、 「この人にはこの機密区分まで扱わせてよい」と与える資格です。 建物にたとえると、最上階まで上がれる入館証をもらった状態です。 ただし、最上階のどの部屋にも入ってよいわけではありません。 入れるのは、自分の仕事がある部屋だけです。
なぜ二つの条件が要るのか
- クリアランスは人を見る条件(この人に任せて漏らすおそれはないか)
- 業務上の必要(need-to-know)は情報と仕事の結びつきを見る条件(この人の仕事にこの情報が要るか)
- 機密区分は情報を見る条件(漏れたらどれだけ困るか)
クリアランスだけで閲覧を許すと、最上位の資格者は全プロジェクトの資料を見られることになります。 その一人が誤って、あるいは意図して情報を持ち出したときの被害が際限なく広がります。 資格と必要性の両方を満たしたときだけ見せることで、一人あたりの影響範囲を小さくできます。
混同しやすい対応との違い
| 対応 | 問題点 |
|---|---|
| 資格に加えて業務上の必要を確かめる | 人と情報の両面で絞れる |
| 資格があるので許可する | クリアランスを閲覧の許可と取り違えている |
| 資料の区分を下げる | 区分は影響の大きさで決めるもので、都合で動かさない |
| 申請者の資格を下げる | 資格は信頼性の評価で、申請への対応とは別 |
クリアランスが問われたら、「扱える上限」と「実際に見てよいか」を分けて考えます。