正解:ア
各選択肢の解説
ア各部員が、自分の担当する顧客の情報だけを閲覧・更新できるように権限を見直す。
正解。need-to-knowの原則は、業務で知る必要がある情報にだけ触れられるようにする考え方です。 担当外の顧客情報は業務で使わないので、見える範囲そのものを担当顧客に絞ります。
イ役職が上の者ほど広く見られるよう、役職に応じて閲覧できる顧客の範囲を広げる。
誤り。権限は役職の高さではなく、業務で必要かどうかで決めます。上位者は多くを知って よいと考えがちですが、この職場では課長も担当外の顧客情報を使いません。役職で広げると、 必要のない人が多くの情報を見られる状態が残ります。
ウ閲覧は部員全員に残し、更新と削除は担当する部員だけができるように権限を見直す。
誤り。操作の種類を必要な分に絞るのは最小権限の考え方の一面で、改ざんの防止には役立ちます。 しかし閲覧は全員のままなので、担当外の契約内容を知ることができる状態は変わりません。 need-to-knowが絞るのは、操作ではなく知ることのできる範囲です。
エ権限は今のままにして、誰がいつ閲覧したかを記録し、月に1回内容を確認する。
誤り。閲覧の記録は、後から誰が見たかをたどる責任追跡性のための対策です。 不適切な閲覧を見つける助けにはなりますが、見ることそのものは防げません。 必要のない人が見られる状態を直す見直しにはなっていません。
理解を深めるために
知る必要がある人にだけ見せる
need-to-knowの原則は、業務で知る必要がある情報にだけアクセスできるようにする考え方です。 同じ部署の仲間でも、担当していない顧客の契約内容を知る必要はありません。 「同じ部だから」「役職が上だから」という理由で見える範囲を広げると、 誤操作、持ち出し、アカウントの乗っ取りが起きたときに、影響の及ぶ情報が一気に増えます。
利用者アクセス権の管理での使い方
- 権限を与える基準は「その業務に必要か」。部署・役職・勤続年数ではない
- 見える範囲(どの情報か)と、できる操作(閲覧・更新・削除)の両方を必要な分に絞る
- 異動や担当替えのたびに、必要がなくなった範囲を外す
この問題の職場では、担当外の顧客情報を業務で使う人がいないので、閲覧と更新の どちらも担当顧客に絞るのが答えになります。記録の取得や操作の制限は、 見える範囲を絞ったうえで重ねる対策です。
混同しやすいものとの違い
| 見直し | 何を絞るか |
|---|---|
| 担当顧客の情報だけに絞る | 知ることのできる範囲(need-to-know) |
| 役職に応じて範囲を広げる | 絞っていない。基準が業務の必要ではなく役職 |
| 更新・削除だけ担当者に限る | できる操作(最小権限の一面)。閲覧の範囲は全員のまま |
| 閲覧を記録して月1回確認 | 何も絞らない。後からたどる責任追跡性の対策 |
「何を見られるか」を絞る対策と、「何ができるか」「後から分かるか」の対策を分けて読むと、 need-to-knowに当たるものが一つに決まります。