問題 10★★★

部門のメンバーから、個人での利用は無料と案内されている画像編集ソフトを業務用PCに入れて 使いたいと相談を受けた。情報セキュリティの担当者の対応として、最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア無料で配布されているソフトなので、著作権者の許諾がなくても業務で使えると回答する。

    誤り。無料かどうかと、使ってよい範囲は別の話です。無料で配布されるソフトにも著作権者がいて、 使用許諾契約で使える範囲が決まっています。価格がゼロでも、許諾の範囲外の使い方は認められません。

  2. イ使用許諾契約で業務での利用が認められているか確かめ、認められていなければ導入しない。

    正解。ソフトウェアを使える範囲は、使用許諾契約の条件で決まります。「個人の利用は無料」とあれば、 業務での利用は許諾されていないか、別の有償のライセンスが必要な場合が多いので、まず条件を確かめます。

  3. ウ社内の業務だけで使い外部には配布しないので、私的使用のための複製にあたると回答する。

    誤り。私的使用のための複製は、個人や家庭内などの限られた範囲で使う目的の複製です。 会社の業務で使うのは、社内に閉じていても私的使用にはあたりません。外部に出すかどうかではなく、 誰が何の目的で使うかで判断します。

  4. エインストール時に許諾条件の同意画面を飛ばせば、条件に縛られずに使えると回答する。

    誤り。同意画面は、条件に同意した者に使用を許諾する仕組みです。同意しなければ条件を免れるのではなく、 使用の許諾そのものを得ていないことになり、使う根拠がなくなります。

理解を深めるために

「無料」は値段の話で、「使ってよい範囲」の話ではない

図書館の本はただで借りられますが、借りた本を複製して配ってよいことにはなりません。 ソフトウェアも同じで、値段がゼロであることと、どう使ってよいかは別に決まっています。 それを決めているのが、権利者と利用者の間のソフトウェア使用許諾契約(ライセンス契約)です。

なぜ許諾条件を確かめるのか

ソフトウェアを手に入れても、著作権は権利者に残ります。利用者が得るのは「この条件でなら使ってよい」 という許諾だけです。無料で配布されるソフトでは、次のように利用者の種類で条件を分けていることがあります。

  • 個人の利用(非商用)は無料
  • 企業や業務での利用は、有償の別ライセンスが必要
  • 一定の規模以下の組織なら無料、といった条件

業務用PCに入れるかどうかの判断では、この条件を読まないと、組織として許諾の範囲外の利用をしてしまいます。 許諾の範囲を超えた複製やインストールは、著作権の侵害になりえます。 担当者が見るべきなのは、配布ページの「無料」の表示ではなく、許諾条件の本文です。 業務での利用が認められていなければ、有償のライセンスを取得するか、別の手段を検討します。

混同しやすいものとの違い

考え方 何の話か この場面での評価
使用許諾契約の条件を確かめる 使える範囲は許諾で決まる 業務での利用が許されているかを確認できる
無料なら許諾は不要 価格の話 無料でも許諾の範囲は決まっている
社内だけなら私的使用 著作権法の権利制限 業務での利用は私的使用ではない
同意画面を飛ばせば縛られない 契約の成立 同意しなければ許諾を得ていない

「無料」「社内だけ」という言葉に引きずられず、許諾条件で使い方が決まる、と読み分けます。

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