正解:エ
各選択肢の解説
ア研修の回数を増やし、宛先を必ず確認する旨の誓約書を全員から取る。
誤り。これまでと同じく人の注意力に頼る対策です。注意喚起と研修で止まらなかった 誤りは、回数を増やしたり誓約させたりしても、うっかりが起きる限り再発します。 教育は必要ですが、それだけでは足りないことが今回の状況から読み取れます。
イ誤送信をした社員を懲戒処分とし、処分の事実を部門内に周知する。
誤り。懲戒は方針に違反した者への手続で、うっかりの誤りを減らす効果は期待しにくい ものです。罰を恐れて誤送信を報告しなくなると、送り先への連絡や回収が遅れ、 かえって被害が広がります。
ウメールソフトに未適用の修正プログラムがないか調べ、すべて適用する。
誤り。これはセキュリティホールへの対策です。修正プログラムの適用は大切ですが、 宛先の選び間違いはソフトウェアの欠陥ではなく人の誤りなので、 適用しても今回の誤送信は減りません。
エ社外宛ては送信前に宛先の確認画面を出し、数分保留して取り消せるようにする。
正解。人は注意していても誤るという前提に立ち、誤りに気づける機会と、 送信後でも止められる仕組みを業務に組み込みます。人の弱点を仕組みで補う対策です。
理解を深めるために
人の弱点は、人の努力だけでは塞げない
人的脆弱性は、だまされやすさだけでなく、思い込みや見落とし、操作の誤りといった 人の性質そのものから生じる弱点です。こうした誤りは、本人が気をつけていても 一定の割合で起きます。注意喚起と研修を重ねても再発が止まらないのは、 対策が「もっと気をつける」に偏っているサインです。
誤りが起きにくく、起きても止まる仕組みにする
人の弱点への対策は、教育と、誤りを前提にした仕組みの組合せで考えます。
- 社外宛ての送信前に宛先の確認画面を出し、立ち止まる機会を作る
- 送信を数分保留し、送ってから気づいても取り消せるようにする
- 誤送信に気づいたらすぐ報告できるようにし、送り先への連絡を早める
教育は「なぜ確認するのか」を理解してもらうために続けます。そのうえで、 確認の機会と取り消しの手段を業務の流れに組み込むことで、人の誤りを被害に至る前に止めます。
混同しやすいものとの違い
| 対策 | 何に向けた対策か |
|---|---|
| 確認画面と送信保留 | 人の誤りを前提に、気づく機会と止める手段を作る |
| 研修の追加・誓約書 | 人の注意力を高める(それだけでは誤りは残る) |
| 懲戒処分 | 方針違反への手続(うっかりの誤りは減らしにくい) |
| 修正プログラムの適用 | ソフトウェアの欠陥(セキュリティホール) |
弱点が人にあるとわかったら、教育だけで終わらせず、 誤りに気づき、止められる仕組みを足せるかを考えるのが見直しの要点です。