問題 42★★★

部員が会社の承認を得ずに、個人で契約した外部のファイル共有サービスで取引先と資料を やり取りしていた。部員は「認証を取得した安全なサービスだ」と説明している。 情報セキュリティ担当者がこの利用を脆弱性として扱う理由として、最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア外部のクラウドサービスは、社内のサーバに比べて安全性が必ず低いから。

    誤り。置き場所が社外かどうかで安全性が決まるわけではありません。会社が承認した クラウドサービスなら、同じ社外でも脆弱性とは扱いません。問題は場所ではなく、 会社の管理が及んでいるかどうかです。

  2. イ認証を取得したサービスにも、未修正のセキュリティホールが必ず残るから。

    誤り。これはセキュリティホール(ソフトウェアの欠陥)の話です。あるとしても 承認済みのサービスにも同じく言えることで、「承認を得ていない」ことが弱点になる 理由の説明になっていません。「必ず残る」という断定も根拠がありません。

  3. ウ共有範囲や利用者の追加・削除、退職時の停止を、会社が把握も管理もできないから。

    正解。シャドーITの弱点は、サービスの性能ではなく会社の目が届かないことです。 誰に何を共有したか、辞めた人が使い続けていないかを、会社が確かめられません。

  4. エ社内規則に反する利用であり、悪意のある内部不正に当たるから。

    誤り。シャドーITは悪意の有無を問いません。多くは業務を早く進めたいという善意から 起きます。悪意をもって権限を目的外に使う内部不正とは別のもので、規則違反である ことと、それが弱点になる理由も分けて考えます。

理解を深めるために

サービスの安全さと、会社が管理できるかは別の話

鍵のかかる立派な貸し倉庫でも、社員が個人名義で借りて会社の書類を入れていたら、 会社は中身も鍵の持ち主も把握できません。倉庫が頑丈かどうかとは関係なく、 会社の手が届かないことが弱点になります。シャドーITはこれと同じです。

なぜシャドーITが脆弱性になるのか

シャドーITは、組織が把握も承認もしていない機器やサービスが業務に使われている状態です。 サービス自体の安全性が高くても、次のことが会社の管理の外で行われます。

  • 共有リンクを誰に渡したか、公開範囲がどう設定されているかを会社が確認できない
  • 部員が退職・異動しても、会社の手続でアカウントを止められない
  • 漏えいが疑われたときに、操作の記録を会社が取り寄せて調べられない

対策は利用を責めることより、利用の実態を把握し、承認済みの代わりの手段と 申請の手続を用意して、管理の内側に戻すことです。

混同しやすいものとの違い

用語 弱点のある場所
シャドーIT 組織が把握・承認していない利用(悪意を問わない)
セキュリティホール ソフトウェアの設計・実装の欠陥
内部不正 正規の権限を悪意をもって目的外に使う行為
承認済みのクラウドサービス 社外にあっても、会社の管理の内側にある

「安全なサービスだから問題ない」という説明を聞いたら、 サービスの安全性と、会社が管理できるかどうかを分けて考えると判断を誤りません。

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