正解:エ
各選択肢の解説
ア図面に「社外秘」などの区分を表示し、受け取った側にも分かるようにする。
誤り。これは情報のラベル付けです。区分が相手に伝わるのは大切ですが、 どの手段で送るかは決まらないので、担当者ごとにばらばらな状態は残ります。 表示することと、送り方を決めることは別の管理策です。
イ設計部の従業員と秘密保持契約を結び、図面を外部に漏らさないよう誓約させる。
誤り。秘密保持契約は従業員に漏らさない義務を負わせる人的管理策です。 この場面の図面は業務として取引先に送るものなので、誓約しても送る手段は定まりません。 漏らさない約束と、正しく渡す方法の取り決めは区別します。
ウ送信されるメールの添付ファイルを検査し、図面を含むものを自動で止める。
誤り。これはデータ漏えい防止(DLP)の考え方です。図面を取引先に送るのは正当な業務なので、 一律に止めると業務が回らず、かえって個人のストレージなど別の手段に流れかねません。 止める仕組みの前に、使ってよい手段を決める必要があります。
エ図面の区分に応じて使ってよい転送手段と手順を定め、取引先とも方法を合意する。
正解。情報の転送です。送る情報の区分に応じて使ってよい手段と手順を規則にし、 相手先とも送受信の方法を取り決めておけば、担当者ごとの判断に任せずに済みます。
理解を深めるために
「どう送るか」を人任せにしない
大事な書類を郵送するとき、会社として書留を使うと決めていれば、 誰が送っても同じように相手に届きます。人によって普通郵便だったり手渡しだったりすると、 どこで紛失したのかも追えません。電子データも同じで、 どの情報をどの手段で送ってよいかを組織として決め、相手とも合わせておくのが情報の転送の管理策です。 JIS Q 27002 では組織的管理策に含まれます。
情報の転送で決めること
情報の転送は、電子メール、ファイル共有サービス、記録媒体の郵送など、 組織の内外で情報を受け渡すすべての手段が対象です。例えば次のことを定めます。
- 情報の区分ごとに使ってよい手段(社外秘は会社が契約した共有サービスのみ、など)
- 送るときの手順(宛先の確認、暗号化、パスワードの伝え方など)
- 記録媒体を物理的に送る場合の扱い(梱包、追跡できる送り方)
- 取引先との合意(どの方法で送受信するか、受け取った後の扱い)
この場面で個人契約のオンラインストレージが使われているのは、使ってよい手段が 決まっていないためです。規則と取引先との合意を整えれば、担当者ごとの判断はなくなります。
混同しやすい対策との違い
| 対策 | 何を決めるか | 送る手段のばらつき |
|---|---|---|
| 情報の転送の規則と合意 | 使ってよい手段と手順 | なくなる |
| 情報のラベル付け | 情報の区分を表示する | 残る |
| 秘密保持契約 | 従業員に漏らさない義務を負わせる | 残る |
| データ漏えい防止(DLP) | 送ってはいけないものを止める | 決まらず、正当な送信まで止まる |
送ること自体が正当な業務である場面では、止める・誓わせる対策より先に、 正しい送り方を決める対策が来ます。