正解:ア
各選択肢の解説
ア営業部長が定期的に権限の一覧を見直し、不要な権限を削除させる。
正解。アクセス権は付与して終わりではなく、定期的に見直して不要になったものを外します。 業務の要否を判断できる営業部長が一覧を確認すれば、残った権限に気づけます。
イ付与の申請に、営業部長に加えて情報システム部長の承認も必要にする。
誤り。承認者を増やすと付与のときの審査は厳しくなりますが、問題は付与した後です。 付与の時点では正当だった権限が、プロジェクトや契約の終了で不要になったのに残っていました。 入口の審査と、その後の見直しは別の手続です。
ウ利用者全員のパスワードに有効期限を設け、定期的に変更させる。
誤り。これは認証情報の管理の話です。パスワードを変えさせても、権限そのものは残ります。 本人が変更すれば使い続けられるので、不要な権限が残る状態は解消しません。 本人確認の手段と、何をしてよいかの権限は分けて考えます。
エ顧客管理システムへのアクセスの記録を取得し、一定期間保存する。
誤り。ログ取得は、誰がいつアクセスしたかを後からたどるための対策です。 不要な権限が使われたときの調査には役立ちますが、権限が残ること自体は防げません。 記録を残すことと、権限を外すことは区別します。
理解を深めるために
合鍵は「渡したら終わり」ではない
工事の業者に事務所の合鍵を渡したら、工事が終わったときに返してもらいます。 返してもらう仕組みがなければ、合鍵は誰の手元にあるか分からなくなります。 システムのアクセス権も同じで、付与するときの承認だけでなく、不要になったら外す見直しが要ります。 JIS Q 27002 では、アクセス権は組織的管理策に含まれます。
アクセス権の管理は付与・見直し・削除まで
アクセス権の管理は、次の流れで回します。
- 付与: 業務上の必要を確かめ、情報の管理責任者が承認してから与える
- 見直し: 定期的に、また異動・契約終了などのときに、まだ必要かを確かめる
- 削除・変更: 不要になった権限は外し、必要な範囲に絞り直す
この場面では付与の手続はできていましたが、見直しがありませんでした。 プロジェクトの終了や委託契約の終了は、情報システム部からは見えにくいことがあります。 業務の要否が分かる営業部長が一覧を確認すれば、残った権限に気づけます。
混同しやすい対策との違い
| 対策 | 働く時点 | 残った権限 |
|---|---|---|
| 権限の定期的な見直し | 付与した後 | 見つけて外せる |
| 承認者の追加 | 付与するとき | 後で不要になったものは残る |
| パスワードの有効期限 | ログインのたび | 権限そのものは残る |
| アクセスの記録の取得 | 使われた後 | 調べられるが外せない |
「付与のときは正しかった」という条件があれば、入口の審査ではなく、 その後の見直しが欠けていると判断できます。