問題 13★★☆

自社Webサイトの問い合わせフォームを、HTTPからHTTPSでの提供に切り替えた。 この変更によって低減できるリスクとして、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア利用者のブラウザからWebサーバまでの通信で、入力内容を盗み見られたり改ざんされたりする。

    正解。HTTPSはHTTPの通信をTLSで暗号化し、改ざんの検知もできるようにします。 守られるのはブラウザとWebサーバの間を流れている間の内容です。

  2. イWebサーバに保存した問い合わせ内容を、サーバへの不正アクセスによって持ち出される。

    誤り。HTTPSが暗号化するのは通信の途中だけで、サーバに届いた後は元の内容として扱われます。 「暗号化した」という言葉から保存データまで守られると誤解しやすいですが、 保存した内容はアクセス制御や保存時の暗号化で別に守ります。

  3. ウ自社を装った偽の問い合わせフォームに、メールのリンクなどから利用者が誘導される。

    誤り。自社のサイトをHTTPSにしても、攻撃者が別に作った偽サイトは防げません。 偽サイト側もHTTPSにできるため、鍵マークだけでは本物の見分けにはなりません。 誘導への対策は、利用者への注意喚起やメールの送信元の検証などです。

  4. エフォームの入力欄にSQL文を入れられ、問い合わせを保存するデータベースを操作される。

    誤り。これはSQLインジェクションで、アプリケーションの作りの不備を突く攻撃です。 HTTPSで暗号化しても、攻撃の文字列は暗号化されたまま正しくサーバに届き、 そこで元に戻って処理されます。対策は入力の扱い方を正すことです。

理解を深めるために

守るのは「運んでいる間」

HTTPSは、封をした丈夫な封筒で手紙を運ぶようなものです。 運んでいる途中で中を読まれたり、すり替えられたりするのは防げます。 しかし、受け取った側が手紙を机に置いた後の管理や、そもそも差出人が偽の宛先に送ってしまうことまでは、 封筒では守れません。

なぜ通信経路のリスクだけなのか

HTTPS(HTTP over TLS)は、ブラウザとWebサーバの間のHTTPの通信をTLSで暗号化します。

  • 通信の途中での盗み見: 暗号化されているので読めない
  • 通信の途中での改ざん: TLSで検知できる
  • サーバに届いた後: 復号されて元の内容としてアプリケーションに渡る

問い合わせフォームには、氏名や連絡先などの個人情報が入力されます。HTTPのままだと、 公衆無線LANなどの経路上で内容を読まれるおそれがあるため、HTTPSにするのは必要な対策です。 ただし、守れる範囲は経路だけです。サーバへの不正アクセス、偽サイトへの誘導、 アプリケーションの不備を突く攻撃には、それぞれ別の対策を組み合わせます。

混同しやすいものとの違い

リスク HTTPSで低減できるか 主な対策
通信途中の盗み見・改ざん できる HTTPS(TLS)
保存データの持出し できない アクセス制御、保存時の暗号化
偽サイトへの誘導 できない 注意喚起、送信元の検証
SQLインジェクション できない 入力の扱い方の修正

試験では、ある対策が「どの場所の、どのリスク」を減らすのかを切り分けられるかが問われます。

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