問題 25★☆☆

C社には総務部が作った防災計画があるが、経営会議で別に事業継続計画(BCP)を作ることになった。 BCPが主に定めるものとして最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア地震や火災が起きたときの避難経路と集合場所、初期消火の担当、従業員用の水や食料の備蓄量。

    誤り。これは防災計画の中身です。災害に備える点はBCPと同じなので混同しやすいですが、 防災計画の目的は人命の安全と被害の軽減です。 事業をどう続けるかまでは定めないので、C社は別にBCPを作ることにしました。

  2. イ情報セキュリティインシデントの発生後に、原因を調査して再発防止策を決めるための手順と担当。

    誤り。これはインシデント管理(インシデント対応)の手順です。BCPと連携はしますが、 目的は個々のインシデントへの対処と再発防止です。 事業を止めない、早く戻すための計画とは目的が違います。

  3. ウ不測の事態で事業が中断しても、重要業務を目標の時間内に再開させるための方針、体制、手順。

    正解。BCPは、原因を問わず重要な事業を中断させない、中断しても短い期間で 復旧させるための計画です。防災計画が守る人命と建物に加え、事業の継続までを扱います。

  4. エ個々のサーバが故障しても止まらないよう、機器を二重化して自動で切り替える構成と保守の契約。

    誤り。これはシステムの冗長化で、機器単位の故障に備える技術的な対策です。 BCPの中で手段として選ばれることはありますが、計画そのものではありません。 拠点全体が使えないときに業務をどう続けるかは、冗長化だけでは決まりません。

理解を深めるために

人と建物を守る計画と、事業を守る計画

防災計画は、災害が起きたときに人命を守り、被害を小さくするための計画です。 事業継続計画(BCP)は、そこからもう一歩進んで、重要な事業を止めない、止まっても 目標の時間内に戻すための計画です。従業員が無事に避難できても、受注や出荷が何週間も止まれば、 取引先を失い会社が立ち行かなくなります。

なぜ別に作るのか

内閣府の事業継続ガイドラインは、BCPを、自然災害、感染症、テロ、大事故、サプライチェーンの 途絶など不測の事態が起きても、重要な事業を中断させない、または短い期間で復旧させるための 方針・体制・手順等を示した計画としています。

  • 対象は地震や火災に限らず、ランサムウェアによるシステム停止や取引先の被災も含む
  • 何を先に戻すか(重要業務)と、いつまでに戻すか(目標復旧時間)を決める
  • 代替拠点、代替手段、手作業での業務継続なども含めて準備する

防災計画とBCPは重なる部分があり、実際には連携させて作ります。

混同しやすいものとの違い

計画・対策 守るもの 主な中身
事業継続計画(BCP) 重要な事業 重要業務を目標時間内に再開する方針・体制・手順
防災計画 人命、建物 避難、消火、備蓄
インシデント管理 個々のインシデントへの対処 原因調査、再発防止
冗長化 機器・システムの稼働 二重化と自動切替え

「事業」「重要業務」「再開」「目標時間」が出てきたらBCP、 「避難」「消火」「備蓄」なら防災計画、と言葉で切り分けます。

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