正解:ウ
各選択肢の解説
アAIを使ったサービスは、提供を始める前に所管大臣の許可を受けなければならない。
誤り。新しい技術の法律と聞くと、業法のような許可制を想像しがちですが、この法律に事業者の許可や届出の制度はありません。 研究開発と活用の推進を主眼とし、国が基本計画や指針を整えて進める仕組みです。
イリスクの高い用途ごとに、第三者機関による適合性評価を受けることが義務づけられている。
誤り。用途のリスクに応じて事業者に評価や義務を課すのは、EUのAI規制法のような規制型の仕組みです。 日本のこの法律は推進型で、国が国際的な規範の趣旨に沿った指針を整備するという作りになっています。
ウ活用事業者として、積極的な活用に努めるとともに、国や地方公共団体の施策に協力する責務がある。
正解。AIを使った製品やサービスを提供しようとする者は「活用事業者」とされ、事業活動の効率化・高度化などに 努めるとともに、国と地方公共団体が実施する施策に協力しなければならないと定められています。
エ学習データに含まれる個人情報について、利用目的の特定や安全管理措置をこの法律が義務づけている。
誤り。個人情報の利用目的の特定や安全管理措置は、個人情報保護法が事業者に課す義務です。AIに個人情報を使う場面でも 根拠はこちらで、AI推進のための法律が個人情報の取扱いの義務を別に定めているわけではありません。
理解を深めるために
規制ではなく「推進」の法律
AIの法律と聞くと、許可や罰則で事業者を縛る法律を思い浮かべがちです。日本の 人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(令和7年法律第53号、内閣府の呼称は「AI法」。 シラバス案では「AI基本法」と表記)は、名前のとおり研究開発と活用を推進するための法律です。 事業者の行為を許可制にしたり、用途ごとの評価を義務づけたりする作りではありません。
法律の作り
- 基本理念: AIの研究開発と活用を推進する。あわせて、不正な目的や不適切な方法で使われた場合の弊害に備え、 透明性の確保などの施策を講じる
- 国: 人工知能戦略本部を内閣に置き、政府が人工知能基本計画を定める。国際的な規範の趣旨に即した指針を整備する
- 国の調査: 権利利益の侵害が生じた事案を分析し、その結果に基づいて事業者などに指導・助言・情報提供を行う
- 活用事業者: AIを使った製品・サービスを開発・提供しようとする者など。積極的な活用に努めるとともに、 国と地方公共団体の施策に協力しなければならない
事業部への回答としては、「この法律で新しい許可は要らないが、国の施策への協力が求められ、 個人情報や著作権などは既存の法律がそのまま適用される」と伝えるのが要点です。
混同しやすいものとの違い
| 仕組み | 中身 |
|---|---|
| 日本のAI法 | 推進型。活用事業者に国・地方公共団体の施策への協力を求める |
| 許可制(業法型) | 事業を始める前に許可を受ける。AI法には無い |
| EUのAI規制法 | 用途のリスクに応じて事業者に義務を課す規制型 |
| 個人情報保護法 | 個人情報の利用目的の特定や安全管理措置を事業者に義務づける |
試験では「推進か規制か」で見分けます。日本のAI法は推進を主眼とし、事業者への個別の義務は施策への協力が中心です。