我が国のサイバーセキュリティに関する施策の基本理念を定め、国や地方公共団体の 責務、事業者や国民の努力義務、政府によるサイバーセキュリティ戦略の策定などを 規定している法律はどれか。
正解:エ
ア特定電子メール法
誤り。広告や宣伝のメールは、あらかじめ同意した相手にだけ送ることを原則とする (オプトイン規制)法律です。正式名称は特定電子メールの送信の適正化等に関する 法律で、迷惑メールという個別分野の規制にとどまります。
イ不正アクセス禁止法
誤り。他人のID・パスワードを使ったログインなど、不正アクセス行為そのものを 禁じ、違反者に罰則を科す法律です。個々の行為を取り締まる法律であって、国の 施策の基本理念や戦略の策定を定めるものではありません。
ウサイバー対処能力強化法
誤り。2025年に成立した比較的新しい法律で、正式名称は重要電子計算機に対する 不正な行為による被害の防止に関する法律です。重要インフラへの攻撃に国が対処 するための具体的な仕組みを定めるもので、段階的に施行が進められています。
エサイバーセキュリティ基本法
正解。2014年に制定された、国のサイバーセキュリティ施策の土台となる法律です。 基本理念と関係者の責務、戦略の策定と推進体制を定めるもので、事業者や国民に ついては努力義務を置くにとどまり、罰則は設けられていません。
「基本法」は取り締まる法律ではない
法律の名前に基本法とあるとき、その中身はたいてい「何を目指すか」「誰が何を 担うか」「どんな計画を作るか」です。個別の行為を禁じて罰するのは別の法律の役目 です。サイバーセキュリティ基本法もこの型どおりで、2014年に制定され、国の サイバーセキュリティ施策の方向と体制を決める土台として置かれています。
この法律が定めていること
- サイバーセキュリティの確保に関する基本理念
- 国・地方公共団体の責務と、重要インフラ事業者・一般の事業者・国民の努力義務
- 政府がサイバーセキュリティ戦略を策定し、施策を推進する体制を整えること
事業者や国民に対する規定は努力義務であり、この法律自体に罰則はありません。 「違反したら罰せられる法律」だと考えると選択を誤ります。
混同しやすいものとの違い
| 法律 | 位置づけ |
|---|---|
| サイバーセキュリティ基本法 | 国の施策の基本理念・戦略・体制(罰則なし) |
| サイバー対処能力強化法 | 重要インフラへの攻撃に国が対処する仕組み(2025年成立) |
| 不正アクセス禁止法 | 不正アクセス行為などの禁止と処罰 |
| 特定電子メール法 | 広告・宣伝メールのオプトイン規制 |
サイバー対処能力強化法が実現する枠組みは「能動的サイバー防御」と呼ばれますが、 これは政策上の通称であって法律の名称ではありません。理念や戦略の話なら基本法、 具体的な権限や禁止行為の話なら個別の法律、と読み分けてください。