デザインのアプローチデザインプロセスマネジメント★★☆

育児中の親向けアプリの企画を役員に説明したが、機能の一覧を読み上げても必要性が 伝わらなかった。次回はストーリーテリングを用いる。その進め方として最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 主人公となる利用者を一人立て、困っている場面から解決までを筋立てて語る。

    正解。「朝、子どもを抱えたまま片手で予約を取り直す」場面から語ると、 聞き手はその人になったつもりで不便さを感じ取れます。 利用者を主人公にした物語の形で語り、自分ごとにしてもらう手法です。

  2. 機能を分類ごとに整理し、それぞれの仕様と開発費用を漏れなく読み上げる。

    誤り。これは今回うまくいかなかったやり方そのものです。一覧は網羅性を示せますが、 その機能がなぜ要るのかという背景が抜け落ちます。 聞き手が必要性を感じ取れない点が、物語で語る場合との違いです。

  3. 想定する利用者に試作を操作してもらい、迷った回数を測って結果を示す。

    誤り。これはユーザビリティテストです。案の使いやすさを利用者の操作から 測る手法で、得られるのは改善すべき箇所の事実です。 案の必要性を聞き手に納得させるための語り方ではありません。

  4. 集めた意見を書いたカードを似た内容ごとにまとめ、関係を一枚の図に整理する。

    誤り。これは親和図(KJ法)です。ばらばらの情報を分類して論点を見つける 整理の手法で、使うのは構想をまとめる段階です。 できた案を聞き手に語って伝える場面の手法ではありません。

仕様書は読まれないが、話は聞いてもらえる

「予約変更機能、通知機能、履歴表示機能を搭載します」と並べても、 聞き手の頭には何も残りません。ところが「保育園から呼び出しの電話が来た。 片手で子どもを抱えながら、もう片方の手で予約を取り直す」と語ると、 聞き手はその場面を思い浮かべます。利用者を主人公にして、困りごとから 解決までを物語の形で語るのがストーリーテリングです。

物語に入れる要素

  • 誰が(調査から起こした具体的な利用者像)
  • どんな場面で、何に困っているのか
  • この案があると、その場面がどう変わるのか
  • 変わった結果、その人にとって何がうれしいのか

機能の一覧は「何を作るか」しか語りませんが、物語は「なぜ作るか」を語ります。 数字で示しにくい価値を伝えたいときほど効きます。

混同しやすいものとの違い

手法 役割
ストーリーテリング 利用者を主人公にした物語として案を語り、共感を得る
機能一覧の説明 作るものを漏れなく示す。背景や必要性は伝わりにくい
ユーザビリティテスト 利用者に操作してもらい、案の使いやすさを測る
親和図(KJ法) 集めた情報を似た内容ごとにまとめ、論点を整理する

試験では「聞き手に自分ごととして感じてもらう」「物語仕立てで語る」といった 言い回しが手掛かりになります。

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