小売業のA社は、これまで店舗ごとに担当者の経験で販促内容を決めてきたが、 今年からデータドリブン経営を掲げ、販促の進め方を見直すことにした。 この方針に沿った進め方として、最も適切なものはどれか。
正解:エ
ア昨年最も売上が伸びた店舗の担当者から勘所を聞き取り、その進め方を全店舗の標準とする。
誤り。成功した店舗のやり方を広げる取組みですが、根拠は担当者の経験のままです。 売上が伸びた理由が販促によるものか、立地や季節の影響かを確かめていないため、 同じやり方を他店で行っても再現するとは限りません。
イ分析結果が担当者の経験と食い違ったので、経験を優先して従来どおりの販促を続ける。
誤り。データを集めて分析まではしていますが、意思決定はデータを根拠にしていません。 経験と違う結果が出たときこそ、なぜずれたのかを確かめる場面です。 都合の良い結果だけを採用するなら、分析していないのと変わりません。
ウ販促の内容をすべてAIに決めさせ、出た結果は検証せずに次の施策へ進む。
誤り。データドリブン経営は判断を機械に丸投げすることではありません。 効果を測って次に生かす部分が抜けており、AIの出した案が的外れでも気づけません。 最後に判断し、結果に責任をもつのは人である点は変わりません。
エ購買データの分析から仮説を立てて施策を試し、効果を数値で確かめて次に生かす。
正解。データを根拠に仮説を立て、実行し、結果をデータで測って次の判断に返す、 という循環がデータドリブン経営の姿です。測った結果が数値で残るので、 うまくいかなかった施策も次の判断の材料になります。
一度分析して終わり、ではない
データドリブン経営というと「分析ツールを入れること」と思われがちですが、 本体は判断の回し方にあります。データを見て仮説を立てる、小さく試す、 結果を数値で測る、その数値をもとに次を決める。この輪が回っているかどうかが 分かれ目です。輪のどこか一か所が抜けると、データを持っていても経営は変わりません。
どこが抜けると成立しないか
- 仮説がない。 ダッシュボードを眺めるだけで、何を確かめたいのかが決まっていない
- 測っていない。 施策を打ちっぱなしにすると、次の判断の材料が残らない
- 結果を使わない。 期待と違う数字が出たときに、都合が悪いからと従来どおりに戻す
3つ目が最も起きやすく、最も厄介です。分析の結果が経験と食い違うのは珍しくありません。 そこで経験を優先し続けるなら、根拠をデータに置いたことになりません。
選択肢の型で見分ける
| 進め方 | 判断の根拠 |
|---|---|
| データドリブン経営 | データで仮説を立て、効果を数値で測って次に返す |
| 成功店舗のやり方の横展開 | 担当者の経験。伸びた理由が確かめられていない |
| 分析結果より経験を優先 | 結局は経験。データは参考にとどまっている |
| AIに任せて検証しない | 機械の出力。結果を測っていないので改善が起きない |
「仮説」「検証」「効果測定」といった言葉が入っている選択肢が正解になりやすい、 と覚えておくと迷いません。