近年、経営方針として「データドリブン経営」を掲げる企業が増えている。 データドリブン経営の説明として、最も適切なものはどれか。
正解:ウ
ア経営者や現場責任者が長年の経験と勘を判断の主軸に置き、意思決定を素早く行う。
誤り。これはKKD(勘・経験・度胸)と呼ばれる従来型の意思決定で、データドリブン 経営が乗り越えようとしている状態です。経験が役に立たないわけではありませんが、 判断の根拠が本人の中にしかないため、他の人が検証も再現もできません。
イ統計や機械学習に詳しい専門人材を採用し、分析モデルの開発を任せる。
誤り。これはデータサイエンティストの配置という手段の話です。分析ができる人が いても、その結果が意思決定に使われなければ経営は変わりません。人材の確保は 条件の一つであって、データドリブン経営そのものの説明にはなりません。
ウ収集・分析したデータを客観的な根拠として、経営や業務の意思決定を行う。
正解。誰が決めるかではなく、何を根拠に決めるかを変えるのがデータドリブン経営です。 根拠がデータとして示されるので、判断の過程を他の人が確かめられ、 結果を測って次の判断に生かすこともできます。
エ業務で発生するデータを削らずに大量に蓄積できる基盤を、社内に整備する。
誤り。これはデータの蓄積基盤を整える取組みで、活用の準備段階にあたります。 ためること自体は目的ではありません。使われないまま眠っているデータは、 保管費用がかかるだけで意思決定を何も変えないからです。
「たぶん売れる」から「データではこうなっている」へ
飲食店で新メニューを決める場面を思い浮かべてください。店長が「この辺りは若い人が 多いから辛いものが売れるはずだ」と決めるのが従来のやり方です。これに対し、 過去1年の注文データを見て「20代の注文の4割が辛味の強い商品」と確かめてから決めるのが データドリブン経営です。決めているのは同じ店長ですが、根拠の置き場所が 頭の中から、誰でも見られるデータへ移っています。
何が変わるのか
- 判断の根拠が共有できる。 なぜその結論なのかを、他の人が同じデータで確かめられる
- 結果を測れる。 施策の前後を数値で比べられるので、次の判断の材料が残る
- 声の大きさで決まらなくなる。 役職や経験年数ではなく、示された事実で議論できる
一方で、根拠にするデータの定義が部門ごとにばらばらだったり、入力漏れが多かったり すると、かえって誤った判断を招きます。だからデータマネジメントが土台として要ります。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 何を指すか |
|---|---|
| データドリブン経営 | データを根拠として意思決定を行う経営のあり方 |
| KKD(勘・経験・度胸) | 個人の経験や直感に頼って判断する従来型のやり方 |
| データサイエンティスト | 統計や機械学習を用いてデータを分析する専門人材 |
| データマネジメント | データを資産として整備し、使える状態に保つ活動 |
試験では「データを集める」「分析できる人を置く」といった手段の話が誤答に並びます。 意思決定の根拠が何かを述べている選択肢を選ぶのが見分け方です。