問題 48★★★

情報システム部を名乗る人物から社員に電話があり「不正ログインを調査中なので、 今スマートフォンに届いた確認コードを読み上げてほしい」と求められた。電話を保留にした 社員から相談を受けた担当者の助言として、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. アコードは伝えずに電話を切り、社内で公表された窓口へ自分から連絡して確かめる。

    正解。相手が本物かどうかは、かかってきた電話の中では確かめられません。 こちらが知っている正規の窓口に自分から連絡し直せば、相手が用意した 名乗りや番号に頼らずに確認できます。

  2. イ相手の氏名と所属を聞き、社員名簿に載っている人物ならコードを伝える。

    誤り。実在の社員の名前と所属は、名刺やSNS、会社のWebサイトなどから 調べられるので、攻撃者が名乗ること自体は難しくありません。名簿と一致しても、 電話の相手が本人だという証明にはなりません。

  3. ウ着信の表示が社内の番号であれば、本物と判断してコードを伝える。

    誤り。発信者番号は偽装できる場合があり、表示だけで相手を確かめることは できません。社内の番号に見えると安心しがちですが、それを狙って 表示を偽る手口もあります。

  4. エパスワードを聞かれていなければ、確認コードは伝えても問題ないと判断する。

    誤り。コードが届いたのは、誰かがすでにパスワードを入力してログインを試みている からです。確認コードは本人確認の最後の手段なので、伝えればその場で ログインを許すことになります。

理解を深めるために

鍵を開けてほしい人に、鍵の番号を聞かれている

「家の防犯点検に来ました。念のため、金庫の暗証番号を教えてください」と言われたら、 相手が制服を着ていても教えないはずです。点検の担当者が暗証番号を知る必要はありません。 ソーシャルエンジニアリングは、このように相手を信用させる名乗りや状況を作り、 人に情報を差し出させる手口です。技術的な防御ではなく、人の判断の隙を突きます。

確認コードを求められた時点で、すでに攻撃は進んでいる

スマートフォンに確認コードが届くのは、誰かがIDとパスワードを入力し終え、 多要素認証の最後の段階に来たときです。つまり、この電話の相手は パスワードをすでに持っている可能性が高く、コードを聞き出せばログインが完了します。

本物かどうかを確かめる手順は、次のようになります。

  • その電話の中では何も伝えず、いったん切る
  • 社内ポータルや内線表など、自分で調べた正規の窓口に連絡し直す
  • 本物の調査でなければ、情報システム部門に報告し、パスワードを変更する

相手の名乗り、知っている情報、着信の表示はどれも攻撃者が用意できます。 確かめる経路を相手に頼らず、こちらで選ぶことが要点です。

混同しやすいものとの違い

確かめ方 攻撃者が用意できるか
自分から正規の窓口へ連絡し直す できない(経路をこちらが選ぶ)
名乗った氏名・所属が名簿と一致する できる(公開情報から調べられる)
着信の表示が社内の番号 できる場合がある(番号の偽装)
パスワード以外なら伝えてよい 確認コードこそ最後の鍵

試験では、相手の言い分の中で確かめる選択肢を外し、別の経路で確かめる選択肢を選びます。

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