問題 61★★☆

社外に公開しているWebサーバを点検したところ、SSL 3.0とTLS 1.0〜1.3のすべてが 有効になっていた。IPAの「TLS暗号設定ガイドライン」の推奨セキュリティ型に沿って 見直すときの設定として、最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア古い端末も接続できるよう全ての版を有効のまま残し、最新の版を優先する設定にする。

    誤り。古い版が有効なまま残っていると、攻撃者が通信に割り込んで古い版で接続させる ダウングレード攻撃の余地が残ります。優先順位を付けても、弱い版を使える状態は変わりません。

  2. イTLS 1.2とTLS 1.3を有効にし、SSL 3.0、TLS 1.0、TLS 1.1は無効にする。

    正解。推奨セキュリティ型ではTLS 1.2の対応を必須とし、TLS 1.3も使えます。 SSL 3.0は禁止、TLS 1.0とTLS 1.1は例外的な場合に限られ、通常は無効にします。

  3. ウSSL 3.0だけを無効にし、TLS 1.0以降はTLSの名が付くので有効のまま残す。

    誤り。名前がTLSでも、TLS 1.0とTLS 1.1は古く、2021年にはIETFが正式に使用を 非推奨としました。ガイドラインでも、やむを得ない場合の例外の扱いに限られています。

  4. エサーバ証明書を鍵長の長いものに更新し、プロトコルの版は今のまま残す。

    誤り。サーバ証明書は接続先が本物かを確かめるためのものです。証明書を強くしても、 古い版のプロトコルが持つ弱点は残るので、版の見直しの代わりにはなりません。

理解を深めるために

古い鍵穴を残したまま、新しい鍵を付けても意味がない

玄関に最新の錠を付けても、横に古い錠の付いた勝手口が残っていれば、泥棒は勝手口を選びます。 TLSの版も同じで、新しい版を使えるようにしただけでは足りず、弱い古い版を無効にして初めて 安全な版での通信に限られます。

なぜTLS 1.2と1.3だけを残すのか

IPAとNICTが作成している「TLS暗号設定ガイドライン」は、Webサーバなどの設定を3つの型に分けています。 特別な事情が無ければ推奨セキュリティ型を選ぶよう勧めています。

  • 推奨セキュリティ型: TLS 1.2の対応を必須とし、TLS 1.3も使える
  • 高セキュリティ型: TLS 1.3を必須とする。より安全性を重視する場合
  • セキュリティ例外型: 古い端末をどうしても接続させる必要がある場合に限り、TLS 1.0やTLS 1.1も認める

SSL 3.0は既に安全ではないとされ、どの型でも使いません。TLS 1.0とTLS 1.1も、 IETFが2021年にRFC 8996で使用を非推奨としています。古い版を残しておくと、 通信に割り込んだ攻撃者が古い版で接続させるダウングレード攻撃の入口になります。

混同しやすいものとの違い

対応 何が変わるか
古い版を無効にしてTLS 1.2・1.3に限る 弱い版で通信させられる余地が無くなる
全版を有効にして新しい版を優先 古い版が使える状態は残る
SSL 3.0だけを無効化 TLS 1.0・1.1の弱点は残る
サーバ証明書の鍵長を伸ばす 接続先の確認は強くなるが、版の弱点は別

試験では「有効にする版」と「無効にする版」の両方を見ます。 古い版の無効化が抜けている選択肢は、見直しとして足りません。

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