正解:ウ
各選択肢の解説
アIPAのコンピュータ不正アクセス届出制度に届け出て、攻撃元への連絡を任せる。
誤り。この届出制度の目的は、被害の実態を把握して再発防止のための情報を広く提供する ことです。届け出ることには意味がありますが、攻撃元の管理者と連絡を取って 対応を求める調整は、この制度の役割ではありません。
イFIRSTに直接報告し、加盟する各国のチームから攻撃元へ対処を求めてもらう。
誤り。FIRSTは、各国のCSIRTなどが加盟して情報を交換する国際的な団体(フォーラム)で、 一般の企業から個別の事案を受け付ける窓口ではありません。JPCERT/CCはFIRSTの 加盟チームで、こうした国際的なつながりを使って調整します。
ウJPCERT/CCにログを添えて報告し、攻撃元の管理者との調整を依頼する。
正解。JPCERT/CCは、インシデントの報告を受けて、攻撃元IPアドレスの管理者にログを示して 調査と対応を依頼する調整を行います。国内外の対応組織と連携しているので、 連絡先が分からない海外の相手でも調整を頼めます。
エサイバーレスキュー隊(J-CRAT)に依頼し、攻撃元の管理者に対処を求めてもらう。
誤り。J-CRATはIPAが運営し、標的型サイバー攻撃の被害を受けた組織に分析や助言をして 被害の低減を支援する活動です。不特定の相手を探るポートスキャンへの対応や、 攻撃元の管理者との調整を引き受ける窓口ではありません。
理解を深めるために
相手との「調整」を頼めるのがJPCERT/CC
攻撃元が踏み台にされたサーバなら、その管理者は自分のサーバが悪用されていることに 気づいていないかもしれません。知らせて止めてもらうのが近道ですが、海外の組織の 連絡先を自力で探すのは難しいものです。
JPCERT/CC(一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター)は、インシデントの報告を受け、 攻撃元IPアドレスの管理者にログを示して調査と対応を依頼する調整を行います。 国内外のインシデント対応組織と連携しており、特定の官庁や企業から独立した中立の立場で動きます。 報告のときは、日時(タイムスタンプ)を含むログを添えることが、相手に連絡するための前提になります。
似た窓口との役割の分け方
- 届け出て、全体の傾向の把握と再発防止に役立ててもらう → IPAの届出制度
- 相手方と連絡を取って、対応してもらうよう調整を頼む → JPCERT/CC
- 標的型サイバー攻撃を受け、分析と助言を受けたい → J-CRAT(IPA)
- 各国のCSIRTどうしが連携する国際的な場 → FIRST
何をしてほしいのか(記録してほしい/相手に連絡してほしい/助言がほしい)で窓口が決まります。
混同しやすいものとの違い
| 組織・制度 | 主な役割 | 一般の企業との関わり |
|---|---|---|
| JPCERT/CC | インシデント対応の調整 | 報告を受けて攻撃元などと調整する |
| IPAのコンピュータ不正アクセス届出制度 | 被害の実態把握と再発防止 | 届出を受け付ける |
| サイバーレスキュー隊(J-CRAT) | 標的型サイバー攻撃の被害低減の支援 | 相談を受けて分析・助言する |
| FIRST | CSIRTの国際的な連携の場 | 加盟したチームが参加する |
組織の名前ではなく、その組織が「誰と誰の間に立つのか」で覚えると、場面の問題で選べます。