問題 64★★☆

経理部の担当者が、契約しているクラウド型の会計サービスで取引先への支払データを作る際、 手順書に無い手作業で金額を直し、桁を誤ったまま承認を経ずに送信して過大な振込が起きた。 サービスは正常に動いていた。このリスクの種類として最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア外部サービス利用のリスク

    誤り。自社が使うクラウドなどのサービスが止まる、漏えいする、事業者が撤退するといった ことで影響を受けるリスクです。クラウドを使っている点は同じですが、 サービスは正常に動いており、誤りは自社の担当者の作業で生じています。

  2. イサプライチェーンリスク

    誤り。取引先など事業のつながりの中の他社で起きた事故が自社に及ぶリスクです。 今回は取引先が影響を受ける側にいますが、原因は自社の業務の中にあり、 向きが逆です。

  3. ウ戦略リスク

    誤り。事業の方向や投資の判断を誤る、市場の変化に追いつけないといった、 経営上の意思決定にかかわるリスクです。今回は経営判断ではなく、日々の業務の 手順と人の作業の誤りで損失が出ています。

  4. エオペレーショナルリスク

    正解。業務の手順・人・システムが不適切だったり機能しなかったりして損失が出るリスクです。 手順書に無い手作業、入力の誤り、承認の省略が重なっており、日常業務の中に原因があります。

理解を深めるために

日々の業務の「やり方」から生まれるリスク

オペレーショナルリスクは、毎日の業務を回す中で、手順・人・システムがうまく働かずに 損失が出るリスクです。入力の誤り、手順の飛ばし、確認の抜け、システムの不具合などが 典型です。広い意味では、災害など外からの出来事で業務が止まる損失も含めて呼びます。

なぜこの場面はオペレーショナルリスクなのか

この場面では、次の3つが重なっています。

  • 手順書に無い手作業で金額を直した(手順から外れた作業)
  • 桁を誤った(人の作業の誤り)
  • 承認を経ずに送信した(確認の仕組みが機能していない)

クラウドの会計サービスを使ってはいますが、サービスは正常に動いていました。 損失の原因は、自社の業務の進め方の中にあります。備えとしては、手作業の修正を 禁止または記録付きにする、送信前の承認を省けない設定にする、金額の上限チェックを 入れる、といった業務の手順と仕組みの見直しが中心になります。

混同しやすいものとの違い

リスクの種類 原因がどこにあるか
オペレーショナルリスク 自社の業務の手順・人・システム
外部サービス利用のリスク 自社が使う外部のITサービスの停止・漏えい
サプライチェーンリスク 取引先など、つながりの中の他社の事故
戦略リスク 経営上の意思決定や事業環境の変化

場面に外部サービスや取引先が出てきても、それが原因なのか、たまたま登場しているだけなのかを 読み分けます。原因が自社の日常業務にあれば、オペレーショナルリスクです。

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