正解:ウ
各選択肢の解説
ア被害が確認できたものに限って報告させ、誤った報告で窓口の負担を増やさない。
誤り。報告の対象は、被害が確定したインシデントだけでなく、気づいた事象や その疑いです。被害の確認を待つと、その間に感染や漏えいが広がります。 誤報が混じるのは、早く知るための代償として受け入れます。
イ不審な点の原因を本人に調べさせ、弱点だと確かめられた場合に報告させる。
誤り。疑わしい弱点を本人が確かめようとすると、システムを傷つけたり、 調査に必要な記録を消したりするおそれがあります。従業員に求めるのは、 自分で調べることではなく、気づいたことをそのまま報告することです。
ウ被害が不確かでも、不審なメールや普段と違う動作に気づいた時点で、定めた窓口へ速やかに報告させる。
正解。事象の報告は、気づいた人が、疑いの段階で、決められた経路で、 すぐに知らせる仕組みです。判断は報告を受けた側が行います。
エ報告を受けた窓口が影響範囲を調べ、封じ込めと復旧を行う手順を定める。
誤り。これは組織的管理策の「情報セキュリティインシデントへの対応」です。 報告を受けた後に組織が動く手順で、大切ですが、従業員が気づいたことを 知らせる仕組みである事象の報告とは別の管理策です。
理解を深めるために
火事かどうかを決めるのは、煙に気づいた人ではない
焦げ臭いと感じた人が、火元を探し回ってから通報していては手遅れになります。 本当に火事かどうかの判断は消防に任せ、気づいた人はすぐ知らせるのが正しい動き方です。 情報セキュリティでも、気づいた人の役目は判断ではなく報告です。
事象の報告で定めること
情報セキュリティ事象は、方針違反や管理策の不具合の可能性を示す出来事で、 被害が確定したインシデントより手前の段階を含みます。規程には次のことを定めます。
- 不審なメールを開いた、画面が普段と違う、などの事象や疑いを報告の対象にする
- 被害が確かでなくても、気づいた時点で速やかに報告する
- 報告する窓口と経路を決め、全員に知らせておく
- 疑わしい弱点を自分で試したり調べたりしない
報告が早いほど、組織は被害が小さいうちに手を打てます。
混同しやすいものとの違い
| 定め | 中身 |
|---|---|
| 情報セキュリティ事象の報告(人的) | 気づいた人が、疑いの段階で、決めた窓口へすぐ知らせる |
| 被害確認後に限った報告 | 確認を待つ間に被害が広がる |
| 本人による原因の調査 | システムや記録を損ねるおそれがある |
| インシデントへの対応(組織的) | 報告を受けた後、組織が封じ込めと復旧を行う |
「誰が」「どの段階で」動くかを見れば、事象の報告と インシデントへの対応を取り違えずに済みます。