正解:エ
各選択肢の解説
ア侵入口が装置の脆弱性なので、脆弱性関連情報の届出として出す。
誤り。脆弱性関連情報の届出は、まだ直っていない弱点を見つけた人が、開発者に直して もらうための制度です。この装置の弱点は公表済みで修正プログラムもあります。 侵入口が脆弱性でも、この場面で届けるのは受けた被害です。
イファイルが暗号化されただけで他へ広がっていないので、ウイルス届出の対象外である。
誤り。コンピュータウイルス対策基準は、自己伝染・潜伏・発病のうち一つ以上の機能を 持つものをウイルスとしています。広がっていなくても、ファイルを使えなくする被害は 届出の対象です。「ウイルス=感染が広がるもの」という思い込みによる誤りです。
ウ金銭を要求する恐喝事件として警察が扱うので、IPAの届出の対象からは外れる。
誤り。警察への相談は捜査のためで、IPAへの届出は被害の拡大・再発の防止に役立てる ためです。目的が違うので、一方がもう一方の代わりにはならず、両方を行えます。
エウイルス届出として、ランサムウェア被害の専用の様式で届け出る。
正解。IPAはランサムウェアによる被害をウイルス届出として扱い、攻撃が複雑な場合が あるため専用の届出様式を用意しています。
理解を深めるために
ランサムウェアの被害は「ウイルス届出」の専用様式で
ランサムウェアは、ファイルを人質に取って身代金を求めるマルウェアです。 入口がVPN装置の弱点であっても、届けるのは「暗号化されて業務が止まった」という被害なので、 IPAへの届出はウイルス届出になります。
IPAの届出の扱い
IPAは、経済産業省の告示「コンピュータウイルス対策基準」に基づいてウイルスの届出を受け付けています。 目的はウイルス被害の拡大と再発の防止で、届出は協力の依頼という形で求められています。
- ランサムウェアの被害はウイルス届出として扱う
- ただし攻撃が複雑な場合があるため、ランサムウェア被害の専用様式がある
- 暗号化・削除されたファイルと、復元と引き換えに金銭を求める脅迫文が目安になる
混同しやすいものとの違い
| 届出・相談 | 何のためか | この場面では |
|---|---|---|
| ウイルス届出(ランサムウェア被害の様式) | 被害の拡大・再発の防止 | 当てはまる |
| 脆弱性関連情報の届出 | 未対策の弱点を開発者に直してもらう | 弱点は公表済み、届けるのは被害 |
| 広がらなければ対象外という考え | ウイルスを自己伝染だけで捉えている | 機能は一つ以上でよい |
| 警察への相談 | 犯罪として捜査する | IPAの届出とは目的が別 |
試験では、侵入の手口に目を奪われず、「何の被害を、何のために届けるか」で 届出の種類を選びます。