正解:ア
各選択肢の解説
ア流動負債
正解。返済義務があるので負債で、決算日の翌日から1年以内に返済期限が来るので流動負債です。 5年契約の借入れでも、翌年度に返す分だけは流動負債に移して表示します。
イ固定負債
誤り。固定負債は返済期限が1年を超える負債で、翌々年度以降に返す残りの分はこちらです。 「5年契約の長期借入れだから全額固定」と考えがちですが、区分を決めるのは契約期間ではなく、 決算日から見ていつ返済期限が来るかです。
ウ純資産
誤り。純資産は資本金や利益の積み上げなど、返済しなくてよい元手です。 借入れは設備投資の資金という点で元手に見えますが、銀行に返す義務があるので負債に入ります。
エ流動資産
誤り。借入れで受け取った現金のうち手元に残る分は流動資産ですが、それは資金の使い道の側です。 返済の義務は、資金をどこから集めたかを示す右側の負債に表示します。
理解を深めるために
長期の借入れも、来年返す分は流動負債
5年返済の借入れは、借りた時点では全体が長期の借入金です。ところが決算日を迎えるたびに、 「翌年度に返済する分」は1年以内に支払う負債になります。貸借対照表は契約の長さではなく、 決算日の翌日から1年以内に返済期限が来るかで負債を分けるので、その分は流動負債に表示します。
なぜ契約期間ではなく決算日から数えるのか
- 貸借対照表は、決算日という一時点の財政状態を示す表
- 流動負債と流動資産を比べると、1年以内に払う義務を1年以内に入る資金で賄えるかが分かる
- 長期の借入れを全額固定負債のままにすると、来年の返済額が見えなくなり、支払能力を実際より良く見せてしまう
そのため、1年以内の返済分は「1年内返済予定の長期借入金」などとして流動負債に分けて表示し、 残りは固定負債に残します。
混同しやすいものとの違い
| 区分 | 中身 | 今回の借入れでは |
|---|---|---|
| 流動負債 | 1年以内に返済期限が来る負債 | 翌年度に返す分 |
| 固定負債 | 返済期限が1年を超える負債 | 翌々年度以降に返す分 |
| 純資産 | 返済義務のない元手 | 当てはまらない |
| 流動資産 | 1年以内に現金化・費用化される資産 | 借りて手元にある現金の側 |
負債かどうかは返済義務の有無で、流動か固定かは返済期限までの長さで決まります。 2段階で振り分けると迷いません。