展示会で名刺を受け取った相手に、自社製品の案内メールを送り続けている。ある日、 その相手から「今後は案内メールを送らないでほしい」と返信があった。特定電子メール法 に照らして最も適切な対応はどれか。
正解:エ
ア名刺で自らアドレスを知らせてきた相手なので、これまでどおり送信を続ける。
誤り。名刺の受渡しは事前の同意を不要とする例外にあたりますが、それは送信を 始めてよいという話にすぎません。相手が受信を拒否した後まで送り続けてよい という意味ではなく、例外の範囲を広げすぎた解釈です。
イ受信拒否の連絡先と送信者名を明記したうえで、これまでどおり送信を続ける。
誤り。送信者情報や受信拒否の連絡先を表示する義務は、これとは別に常に課されて いるものです。表示を整えれば拒否の意思を無視してよいわけではなく、義務を一つ 果たしても他の義務が消えるわけではありません。
ウ半年ほど間隔を空けたうえで、改めて同じ内容の案内メールの送信を再開する。
誤り。受信拒否の効力が一定期間で自動的に切れるという定めはありません。同意の 記録に保存期間の考え方があることと混同しやすい点ですが、拒否の意思表示は期間の 経過によって消えるものではありません。
エ以後その相手には広告・宣伝メールを送らず、配信リストから対象を外す。
正解。受信拒否の通知を受けた相手への広告・宣伝メールの送信は禁じられます。 配信リストから外しておけば、次の配信で誤って送ってしまう事故も防げます。
「同意が要らない相手」でも、断られたら送れない
特定電子メール法は広告・宣伝メールをオプトイン(事前同意)で規制していますが、 同意がなくても送れる例外があります。取引関係にある相手や、名刺などで自ら電子 メールアドレスを通知してきた相手などです。展示会で名刺を交換した相手に案内を 送ること自体は、この例外にあたります。
問題はその先です。例外は「送り始めてよい」という入口の話でしかなく、受信拒否の 通知を受けた相手には、以後送信してはならないという定めは、同意を得た相手にも 例外で送っていた相手にも同じように働きます。
実務でどう扱うか
- 拒否の連絡は、返信でも配信停止用のリンクからでも受け付ける
- 受け取ったら配信リストから外す。その事実を記録に残しておくと事故を防げる
- メールには送信者の氏名・名称と受信拒否の連絡先を表示しておく
なお、法律が保存を義務付けているのは同意を得たことを示す記録のほうです。 拒否を受けた記録を残すのは、義務ではなく事故を防ぐための実務上の工夫です。
混同しやすいものとの違い
| 論点 | 正しい理解 |
|---|---|
| 受信拒否の通知 | 以後の広告・宣伝メールの送信ができなくなる |
| 名刺交換などの例外 | 事前同意なしで送り始めてよいだけ。拒否には従う |
| 送信者情報の表示義務 | 常に課される別の義務。拒否を無視する根拠にならない |
| 期間の経過 | 拒否の効力が自動的に消える仕組みはない |
試験では「例外にあたるから送ってよい」という選択肢が置かれます。入口の同意の話と、 断られた後の話を分けて読むのが見分け方です。