プロジェクトマネジメントプロジェクトマネジメント★★★

会員サイトを構築するプロジェクトで、計画どおり進んでいる途中に、営業部から 公開日を2週間早めたいと要請された。スケジュールを詰めるための検討として、 最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 後続の作業のうち、前の作業の完了を待たずに始められるものを洗い出し、並行して進める。

    正解。日程の長さは、作業の順序と各作業の所要期間で決まります。順序を見直して 一部を並行させれば全体を詰められます。ただし前の作業が固まる前に始める分、 やり直しの危険は増えるので、どこまで並行させてよいかを確かめたうえで決めます。

  2. 残りの作業に他部署から要員を追加し、参加した日から即戦力として数えて日程を引く。

    誤り。要員の追加は日程を詰める有力な手段ですが、加わった人が仕事を覚えるまでに 時間がかかり、説明する側の手も取られます。参加初日から従来の担当者と同じ量を こなす前提で引いた日程は、かえって公開日を危うくします。

  3. 作業の進め方は変えずに、進捗報告を週1回から毎日に増やして状況を細かくつかむ。

    誤り。報告を細かくすれば遅れの発見は早くなりますが、作業そのものは1日も 短くなりません。把握することと日程を詰めることは別で、報告の準備に時間を取られる 分だけ、かえって作業に使える時間が減ることにも注意が要ります。

  4. 残りの作業の所要期間を、根拠を示さないまま一律に2割短く見積もり直して計画とする。

    誤り。数字だけを縮めるのは計画の帳尻を合わせただけで、実際にやる作業の量は 何も減っていません。無理な見積りは終盤で必ず表に出ます。期間を短くしたいなら、 作業の順序か進め方か範囲のどれかを、根拠をもって変える必要があります。

日程は「順序」と「所要期間」でできている

スケジュールは、洗い出した作業に所要期間を見積もり、前後関係を踏まえて並べた結果です。 全体の長さは、この二つの掛け合わせで決まります。したがって日程を詰めたいなら、 動かせる要素は次の三つしかありません。

  • 順序を変える — 待たなくてよい作業を並行させ、全体の期間を重ねて短くする
  • 所要期間を変える — 要員や設備を増やし、1作業にかかる日数を減らす
  • やることを変える — 必須でない機能を後の段階へ回し、作業そのものを減らす

「気合いで巻く」は、この三つのどれでもありません。見積りの数字だけを書き換えるのも 同じで、計画は短くなっても現実の作業量は変わらないままです。

それぞれの手段には代償がある

手段 効くところ 代償
作業の並行化 待ち時間を重ねて消せる 前工程が固まる前に着手するので手戻りが増える
要員・設備の追加 1作業の日数が減る 費用が増え、立ち上げに時間がかかる
範囲の見直し 作業の総量が減る 発注元やステークホルダの合意が要る

どれを選んでも、誰かに影響が及びます。プロジェクトマネージャは案を用意したうえで、 関係者と合意してから計画を引き直します。日程・費用・範囲は互いに引っ張り合う関係にあり、 どれか一つだけを都合よく縮めることはできない、と覚えておくと選択肢を絞れます。

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