デザインのアプローチデザインプロセスマネジメント★★★

新設する図書館の貸出サービスについて、机上の模型を動かして流れの筋を確かめる 段階を終えた。次は、より本番に近い形でサービスプロトタイプを行うことにした。 実施内容として最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 利用者を年代ごとに分けて人数を集計し、想定する来館者数を見積もる。

    誤り。これは需要を見積もるための調査です。数の裏づけは計画に必要ですが、 サービスの流れが実際に成り立つかは分かりません。 プロトタイプは「試してみて確かめる」ための取組みです。

  2. 模型に人形を並べ直し、利用者と職員の動線が重ならないかを見直す。

    誤り。これはデスクトップウォークスルーで、机上の模型を使う簡易な サービスプロトタイプにあたりますが、今回はすでに終えた段階です。 同じ段階にとどまっていては、机上では見えない不具合が見つかりません。

  3. 仮のカウンターと機器を用意し、職員と利用者役が受付から返却まで演じる。

    正解。本番に近い場を作って一連の流れを通しで体験させるのがサービスプロトタイプ です。実際に人が動いて初めて、待ち時間や声かけの過不足といった 机上では見えない問題が表に出ます。

  4. 利用者に質問紙を配って回答を集計し、求められている機能を把握する。

    誤り。これはアンケートの説明です。何が望まれているかを広く集めるのには 向きますが、考えた流れがうまく動くかを確かめる手段ではありません。 要望を聞く工程と、試作して試す工程は役割が違います。

仮の店を開いて、通しで演じてみる

サービスには形がないので、図や模型をいくら眺めても 「返却の列が入口をふさぐ」「職員の声が機械音にかき消される」といった問題は 見えてきません。

サービスを一連の流れとして体験できる形にして試すのがサービスプロトタイプです。

粗いものから、本番に近いものへ

サービスプロトタイプは一つの決まったやり方ではなく、試作の作り込み方に幅が あります。サービスデザインでは、粗いものから順に精度を上げていきます。

  1. 机の上の模型と人形で流れの筋を確かめる(デスクトップウォークスルー)
  2. 仮の設備と人を用意し、本番に近い形で通しで演じる

1も2もサービスプロトタイプにあたります。1は安く何度でもやり直せる代わりに、 分かることが限られます。2は場所と人手が要りますが、その場で起きる待ちや 戸惑いまで観察できます。順に進めることで、手戻りの費用を抑えながら 確からしさを上げていきます。

混同しやすいものとの違い

取組み 何を試すか
サービスプロトタイプ サービスの流れ全体。机上の模型から本番に近い実演まで幅がある
デザインプロトタイプ 画面や表示物など、個々の接点の見た目と操作
アンケート 何が求められているかを、広く多数から集める(試作ではない)

試験では「サービスの流れを通しで試す」がサービスプロトタイプ、 「画面や見た目の試作」がデザインプロトタイプの合図になります。 デスクトップウォークスルーは、サービスプロトタイプのうち机上で行う簡易な形 だと押さえておくと、両者が並ぶ選択肢でも迷いません。

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