新設する図書館の貸出サービスについて、机上の模型を動かして流れの筋を確かめる 段階を終えた。次は、より本番に近い形でサービスプロトタイプを行うことにした。 実施内容として最も適切なものはどれか。
正解:ウ
ア利用者を年代ごとに分けて人数を集計し、想定する来館者数を見積もる。
誤り。これは需要を見積もるための調査です。数の裏づけは計画に必要ですが、 サービスの流れが実際に成り立つかは分かりません。 プロトタイプは「試してみて確かめる」ための取組みです。
イ模型に人形を並べ直し、利用者と職員の動線が重ならないかを見直す。
誤り。これはデスクトップウォークスルーで、机上の模型を使う簡易な サービスプロトタイプにあたりますが、今回はすでに終えた段階です。 同じ段階にとどまっていては、机上では見えない不具合が見つかりません。
ウ仮のカウンターと機器を用意し、職員と利用者役が受付から返却まで演じる。
正解。本番に近い場を作って一連の流れを通しで体験させるのがサービスプロトタイプ です。実際に人が動いて初めて、待ち時間や声かけの過不足といった 机上では見えない問題が表に出ます。
エ利用者に質問紙を配って回答を集計し、求められている機能を把握する。
誤り。これはアンケートの説明です。何が望まれているかを広く集めるのには 向きますが、考えた流れがうまく動くかを確かめる手段ではありません。 要望を聞く工程と、試作して試す工程は役割が違います。
仮の店を開いて、通しで演じてみる
サービスには形がないので、図や模型をいくら眺めても 「返却の列が入口をふさぐ」「職員の声が機械音にかき消される」といった問題は 見えてきません。
サービスを一連の流れとして体験できる形にして試すのがサービスプロトタイプです。
粗いものから、本番に近いものへ
サービスプロトタイプは一つの決まったやり方ではなく、試作の作り込み方に幅が あります。サービスデザインでは、粗いものから順に精度を上げていきます。
- 机の上の模型と人形で流れの筋を確かめる(デスクトップウォークスルー)
- 仮の設備と人を用意し、本番に近い形で通しで演じる
1も2もサービスプロトタイプにあたります。1は安く何度でもやり直せる代わりに、 分かることが限られます。2は場所と人手が要りますが、その場で起きる待ちや 戸惑いまで観察できます。順に進めることで、手戻りの費用を抑えながら 確からしさを上げていきます。
混同しやすいものとの違い
| 取組み | 何を試すか |
|---|---|
| サービスプロトタイプ | サービスの流れ全体。机上の模型から本番に近い実演まで幅がある |
| デザインプロトタイプ | 画面や表示物など、個々の接点の見た目と操作 |
| アンケート | 何が求められているかを、広く多数から集める(試作ではない) |
試験では「サービスの流れを通しで試す」がサービスプロトタイプ、 「画面や見た目の試作」がデザインプロトタイプの合図になります。 デスクトップウォークスルーは、サービスプロトタイプのうち机上で行う簡易な形 だと押さえておくと、両者が並ぶ選択肢でも迷いません。