市が運営する施設予約サイトの改善に向けて、選択式の設問を用意し、 利用者3,000人にアンケートを実施した。この方法で把握しやすいこととして、 最も適切なものはどれか。
正解:イ
ア回答の理由が気になった人にその場で問い返し、事情を深く掘り下げた内容。
誤り。自由記述で理由を書いてもらうことはできますが、書かれた内容について その場で問い返すことはできません。答えに応じて追加の質問を重ねられるのは 対面で行う聞き取りの利点で、アンケートが不得手とするところです。
イどの機能に不満をもつ利用者が全体のどれくらいの割合を占めるかという傾向。
正解。全員が同じ設問に同じ形式で答えるため、回答を集計して割合や順位を 数で示せます。多くの人から広く集めて全体の傾向をつかむことが、 アンケートの最も得意とするところです。
ウ利用者が実際にどの画面で操作をやめたかを、サイトの操作記録からたどった事実。
誤り。これは利用ログの分析で分かることです。アンケートで集まるのは 利用者本人の申告であり、記憶違いや答えやすい答えに寄る場合があります。 実際の操作そのものを追うなら、記録側のデータを見る必要があります。
エ試作した新しい予約画面を操作してもらい、手が止まった箇所を観察した記録。
誤り。これはユーザビリティテストで得られるものです。設問に答えてもらう アンケートでは、操作している最中の様子は分かりません。 尋ねて答えを集めるのか、操作させて見るのかという違いです。
3,000人に同じ質問をすると、何が分かるか
アンケートは、決まった質問を多数の相手に同じ形で尋ねる方法です。 全員が同じ土俵で答えるので、回答を足し合わせて 「予約の変更がしづらいと答えた人が62%」のように数で示せます。
改善案がいくつもあって、どれから手を付けるかを決めたいときには、 この「どれくらいの人がそう思っているか」という情報が効きます。
得意なことと、不得手なこと
- 得意 — 多人数から短時間で集められる。集計して傾向や割合、順位が出せる。 時期を空けて同じ設問を繰り返せば、改善の前後を比べられる
- 不得手 — 「なぜそう思うのか」を追いかけられない。 回答者に問い返せないので、答えが浅いままで終わる。 そもそも用意した設問にない困りごとは、拾い上げられない
つまりどれくらいいるかは分かるが、なぜそうなのかは分からない。 数で当たりを付けてから聞き取りで理由を掘る、という組合せがよく使われます。
何から得られる情報かで見分ける
| 方法 | 分かること |
|---|---|
| アンケート | 多数の回答から得た、意見の傾向や割合 |
| 利用ログの分析 | 実際にどの画面でどう操作したかという記録上の事実 |
| ユーザビリティテスト | 操作してもらったときに手が止まった箇所 |
アンケートで集まるのは、あくまで利用者が申告した内容です。 選択肢に「観察した」「操作記録をたどった」とあれば、 それはアンケートで得られるものではないと判断できます。