ビジネス関連法規労働関連法規★★★

A社はシステム開発を請け負う契約をB社と結び、B社の従業員がA社の事務所で作業して いる。実際にはA社の社員が、B社の従業員に作業の進め方や作業時間を日々直接指示 している。この状態を表す言葉はどれか。

正解:

  1. 二重派遣

    誤り。派遣された労働者を、受け入れた派遣先がさらに別の会社へ派遣して働かせる ことで、法律で禁止されています。この場面では労働者が別の会社へ回されてはおらず、 問題は契約の形と実態がずれている点にあります。

  2. 裁量労働制

    誤り。業務の進め方や時間配分を労働者本人の裁量に委ね、あらかじめ定めた時間を 働いたとみなす労働基準法上の制度です。この場面はむしろ発注者が細かく指示して いる点が問題で、制度の適用の有無とは関係ありません。

  3. 偽装請負

    正解。契約の形は請負でありながら、実態は発注者が相手の従業員を直接指揮命令して いる状態です。請負では、作業の指示は仕事を請け負ったB社が自ら行わなければ なりません。

  4. 労働者派遣

    誤り。派遣先が指揮命令する点は同じですが、労働者派遣は許可を受けた派遣元と 派遣先が労働者派遣契約を結んで初めて成り立ちます。請負契約のまま指揮命令だけ 派遣と同じにしても、適法な派遣にはなりません。

見分ける軸は「誰が指示を出すか」

外部の会社の人が自社の事務所で働いている光景は同じでも、契約が請負か労働者派遣かで 守るべきルールは変わります。両者を分ける最大の軸が指揮命令の所在です。

  • 請負契約:発注者は仕事の完成を依頼するだけで、作業者への指示は請け負った側が行う
  • 労働者派遣契約:派遣元と雇用関係にある労働者に対し、派遣先が直接指揮命令する

契約書は請負なのに、実際には発注者が作業の進め方や時間を指示している。この食い違いが 偽装請負です。労働者派遣であれば適用されるはずの労働者派遣法上の保護(派遣元の許可、 派遣期間の制限、派遣先の責任など)が働かなくなるため、問題視されます。

混同しやすいものとの違い

用語 何を指すか
偽装請負 請負契約の形で、実態は発注者が指揮命令している状態
労働者派遣 派遣契約に基づき、派遣先が派遣労働者を指揮命令する適法な形態
二重派遣 派遣された労働者をさらに別の会社へ派遣すること。禁止されている
裁量労働制 業務の進め方や時間配分を労働者の裁量に委ねる労働基準法上の制度

問題文に「請負契約」と「発注者が直接指示」が同時に出てきたら偽装請負、労働者が 別の会社へさらに送られていたら二重派遣、と読み分けられます。

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