正解:ア
各選択肢の解説
アOSやブラウザ、その拡張機能に、修正プログラムを速やかに適用する運用にする。
正解。この感染はドライブバイダウンロードで、閲覧したブラウザの脆弱性を突いて マルウェアを送り込んでいます。脆弱性をふさげば、同じ仕掛けのページを見ても感染しにくくなります。
イメールの添付ファイルや本文中のURLを不用意に開かないよう、社員を教育する。
誤り。これは標的型攻撃メールなど、メールを入口にした攻撃への対策です。 この場面ではメールは使われておらず、社員は自分で普段のサイトを開いただけです。 感染の入口がメールかWeb閲覧かで区別します。
ウ業務に関係のない不審なWebサイトは閲覧しないよう、社員に指導を徹底する。
誤り。不審なサイトを避ける指導は一般には有効ですが、この場面のサイトは業務で使う正規のサイトで、 改ざんされていました。標的がよく見るサイトを狙う水飲み場型攻撃では、 利用者の注意だけでは見分けられません。
エ自社のWebサイトにWAFを導入し、不正な入力を含む通信を遮断する。
誤り。WAFは、自社のWebサイトへの攻撃(SQLインジェクションなど)を防ぐための仕組みです。 この場面で改ざんされたのは業界団体のサイトで、自社のサイトは攻撃されていません。 守る対象が自社のサーバか、閲覧する側のPCかで切ります。
理解を深めるために
「見ただけ」で感染する仕組み
玄関の鍵が壊れたままの家は、住人が何もしなくても、通りがかった人に入られてしまいます。 ブラウザの脆弱性はこの壊れた鍵にあたり、改ざんされたページは、その鍵を開ける道具を 閲覧した全員に試してきます。利用者の操作なしにマルウェアを送り込むこの手口を ドライブバイダウンロードと呼びます。
なぜ修正プログラムの適用が効くのか
- 改ざんされたページには、閲覧したブラウザやその拡張機能の脆弱性を突く仕掛けが埋め込まれる
- 脆弱性が残っていると、ファイルを開く操作がなくてもマルウェアがダウンロード・実行される
- 社員が「怪しいものは開かない」を守っていても防げない。防げるかどうかは閲覧する側のPCの状態で決まる
この場面のように、標的がよく使う正規のサイトを改ざんして待ち伏せる手法は水飲み場型攻撃と呼ばれ、 ドライブバイダウンロードと組み合わせて使われることがあります。サイトの改ざんは閲覧者には防げないので、 PC側では脆弱性をふさいでおくことが再発防止の中心になります。
混同しやすいものとの違い
| 対策 | 防ぐもの | この場面で効くか |
|---|---|---|
| 修正プログラムの適用 | ブラウザ等の脆弱性を突く感染 | 効く(感染の原因を取り除く) |
| メールの添付・URLの教育 | メールを入口にした攻撃 | 効かない(メールは使われていない) |
| 不審なサイトの閲覧禁止 | 怪しいサイトからの感染 | 効かない(正規のサイトが改ざんされた) |
| 自社サイトへのWAF導入 | 自社のWebサイトへの攻撃 | 効かない(狙われたのは他社のサイト) |
「利用者が何もしていないのに感染した」と読めたら、閲覧した側のソフトウェアの脆弱性を疑います。