問題 56★★★

工場の制御用PCはインターネットにつながっておらず、マルウェア対策ソフトの定義ファイルを 更新できない。このPCで動かすソフトウェアは決まっている。 保守作業で持ち込むUSBメモリからの感染に備える対策として、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア実行してよいプログラムを許可リストに登録し、それ以外のプログラムは実行させない。

    正解。動かすソフトウェアが決まっているので、正しいものだけを登録できます。 リストにないプログラムは未知のマルウェアでも動かないので、定義ファイルの更新に頼りません。

  2. イ既知のマルウェアを拒否リストに登録し、該当するプログラムの実行を止める。

    誤り。拒否リストは、登録した既知のマルウェアしか止められません。 このPCはリストを最新にする手段がないという条件なので、 後から出てきたマルウェアは載らないまま実行されてしまいます。

  3. ウ導入時点の定義ファイルのままマルウェア対策ソフトを動かし、毎日検査する。

    誤り。検査の回数を増やしても、照合に使う定義ファイルが古いままなら、 その後に出てきたマルウェアは見つかりません。問題は検査の頻度ではなく、 照合する元の情報が更新されないことです。

  4. エURLフィルタリングを導入し、危険なWebサイトへの接続を遮断する。

    誤り。URLフィルタリングはWebサイトへの接続を宛先で止める仕組みです。 このPCはインターネットにつながっておらず、心配している経路はUSBメモリなので、 止める通信そのものがありません。

理解を深めるために

「指名手配の名簿」と「社員名簿」

指名手配の顔写真で不審者を止める方法は、名簿が新しいうちは役に立ちますが、 名簿が届かなくなると、新しい手配犯は素通りします。 一方、「社員名簿に載っている人しか入れない」なら、名簿の外の人は 手配されていてもいなくても止まります。出入りする人が決まっている場所ほど、こちらが向きます。

なぜ許可リストなのか

プログラムの実行を制御する方法には、2つの考え方があります。

  • 拒否リスト(ブロックリスト): 悪いと分かっているものを登録して止める。 マルウェア対策ソフトの定義ファイルもこの考え方で、リストを更新し続けることが前提
  • 許可リスト(アローリスト/パスリスト): 正しいと確かめたものだけを登録して動かす。 未知のものも止まるが、動かすものが決まっている環境でないと運用しにくい

制御用PCは、ネットワークから切り離されているため定義ファイルを更新できず、 一方で動かすソフトウェアは決まっています。拒否リストの前提が崩れ、 許可リストの前提がそろっている環境です。 許可リストにすれば、USBメモリに入ったマルウェアが未知のものでも実行されません。

あわせて、持ち込むUSBメモリを、別の検査用PCで最新の定義ファイルを使って検査してから 使う手順を決めておくと、守りを重ねられます。

混同しやすいものとの違い

対策 未知のマルウェア この環境での前提
許可リスト 止まる 動かすソフトが決まっている(満たす)
拒否リスト 止まらない リストの更新が要る(満たさない)
古い定義ファイルで毎日検査 見つからない 定義の更新が要る(満たさない)
URLフィルタリング 対象外 Webの通信がある(満たさない)

試験では、「更新できない」「使うものが決まっている」という条件が置かれていたら、 許可リストを選ぶ手がかりになります。

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