情報倫理・AI倫理情報倫理・情報モラル★★☆

ある人がSNSで、自分と近い意見をもつアカウントばかりを自分で選んでフォロー している。同じ主張が繰り返し流れてくるうちに、それが世の中の大多数の考えだと 感じるようになった。この状態を表す用語として、最も適切なものはどれか。

正解:

  1. デジタルタトゥー

    誤り。一度インターネット上に公開された情報は完全には消せず、後々まで残り 続けることを入れ墨にたとえた言葉です。SNSでの発信に関わる点は同じですが、 指しているのは情報が消えない性質であって、意見の偏り方ではありません。

  2. ディスインフォメーション(偽情報)

    誤り。人をだます意図をもって作られ、意図的に広められる情報を指します。 思い違いから広まる誤情報(ミスインフォメーション)とは意図の有無で分かれます。 ここで問われているのは情報の真偽ではなく、同じ意見だけに触れ続ける状態です。

  3. エコーチェンバー

    正解。似た意見の人どうしが閉じた輪の中で発信し合うと、同じ主張が反響室 (エコーチェンバー)のように増幅されて返ってきます。その結果、実際の割合とは 無関係に、それが多数派の考えだと感じられるようになります。

  4. フィルターバブル

    誤り。サービス側の推薦アルゴリズムが閲覧履歴に合う情報を優先表示し、異なる 意見が届きにくくなる現象です。視野が狭まる結果は似ていますが、原因が利用者 自身の選択か、アルゴリズムによる選別かで見分けます。

同じ声が返ってくる部屋

壁に囲まれた部屋で叫ぶと、自分の声が反響して何度も返ってきます。声を出したのは 自分ひとりなのに、大勢が同じことを言っているように聞こえる。SNSで自分と同じ 考えの人ばかりとつながっていると、これと同じことが起こります。これが エコーチェンバーです。

なぜ起きるのか

  • 自分と合う意見は心地よいので、フォローや「いいね」が自然とそちらへ寄る
  • 反対意見が輪の中に入ってこないため、反論を検討する機会そのものが失われる
  • 同じ内容を繰り返し目にすると、根拠を確かめないまま本当らしく感じてしまう

こうなると、偽情報や誤情報が輪の中で無批判に共有され、フェイクニュースの拡散を 後押しします。対策は、発信元と一次情報に当たって真偽を確かめるファクトチェック であり、意識して異なる立場の情報にも触れることです。

混同しやすいものとの違い

用語 何を指すか
エコーチェンバー 自分で選んだ同質な輪の中で、同じ意見が増幅される状態
フィルターバブル アルゴリズムの選別で、異なる意見が届かなくなる状態
デジタルタトゥー 公開した情報が消せずに残り続ける性質
ディスインフォメーション だます意図をもって流される偽情報

エコーチェンバーとフィルターバブルは結果がよく似ています。問題文が「自分で フォローした」「同じ意見の人が集まる場」と言っていればエコーチェンバー、 「おすすめ表示」「閲覧履歴に応じて」と言っていればフィルターバブルです。

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