AI利活用識別AI利活用★★☆

通信サービス会社が、翌月に解約しそうな会員を事前に見つけて引き止め策を打つため、 教師あり学習によるAIの導入を検討している。 学習用に用意するデータとして最も適切なものはどれか。

正解:

  1. 現在契約中の会員の利用状況を集めたもの。解約したかどうかの結果は含めない。

    誤り。正解にあたる結果が付いていないので、何を当てればよいのかを AIが学べません。このデータで行えるのは、似た使い方の会員どうしを まとまりに分ける教師なし学習のほうです。

  2. 過去の会員の利用状況に、その後実際に解約したかどうかの結果を付けたもの。

    正解。教師あり学習は「答え合わせのできる過去のデータ」から規則を学びます。 解約した人としなかった人の両方があって初めて、どんな使い方の会員が 解約しやすいかという違いを見つけられます。

  3. 過去に解約した会員だけを抜き出して集めたもの。継続中の会員は含めない。

    誤り。解約した人の特徴しか無いと、それが解約者に特有の傾向なのか、 会員全体に共通する傾向なのかを区別できません。予測させたい結果は、 起きた例と起きなかった例の両方をそろえる必要があります。

  4. 業界全体の平均的な解約率の統計を集めたもの。自社会員のデータは含めない。

    誤り。これは市場の傾向をつかむための集計データです。全体として何%が 解約するかは分かっても、自社の誰が解約しそうかという個人単位の 見当は付けられません。予測したい単位とデータの単位が合っていません。

答え合わせができる過去があるか

教師あり学習は、過去の問題集を解いて解き方を覚える勉強に似ています。 問題だけあって答えが載っていない問題集では、合っているかどうかが分からないので 上達しません。AIも同じで、学習用のデータには「その後どうなったか」という結果が 付いている必要があります。

離反予測なら、昨年の会員一人ひとりについて、通話量・アプリの利用頻度・ 問合せの回数といった使い方の記録と、その人が結局解約したかどうかの結果を 組にしておきます。AIはこの組を大量に見比べて、解約した人に共通する使い方の 特徴を規則として取り出します。その規則を今の会員に当てはめると、 まだ結果が分からない人についても解約しやすさを見積もれます。

活用目的で必要なデータが変わる

学習の型 用意するもの 活用の例
教師あり学習 過去のデータ+その後の結果(正解) 売上予測、成約予測、離反予測
教師なし学習 過去のデータのみ(正解は不要) 顧客セグメンテーション、店舗クラスタリング
強化学習 行動の結果に返す評価の基準 配車ルートの最適化

試験では「予測したい」という言葉が出てきたら教師あり学習を疑い、 次に「正解にあたるデータが手元にあるか」を確認する、という順で考えると 迷いません。結果の記録が残っていない業務では、まずその記録を取るところから 始める必要がある、という点まで押さえておくと実務でも役立ちます。

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